トイ・プードル
Toy Poodle
トイプードルとはプードルの一種です。プードルはフランスで人気を集めていた犬である一方、「プードル」という言葉はドイツに起因するものです。
そんなプードルは、スタンダード・プードル、ミディアム・プードル、ミニチュア・プードル、そしてトイプードルの4種類がいます。
挙げた順に大きいので、トイプードルはプードルの中でも一番小さいタイプです。
また、主要畜犬団体から公認されている訳ではないものの、トイプードルよりもさらに小さいティーカップ・プードルもいます。
トイプードルがペットとして高い人気を集めている理由として小さくて可愛い点もさることながら、犬特有の臭いがない点と抜け毛の少なさが挙げられます。
一般的に犬はとても可愛らしい一方で、抜け毛が多いので室内で小型犬を飼ったとしても抜け毛に悩まさされ、常に掃除しなければなりません。
また、どうしても体臭があるので、部屋全体が臭くなってしまいがちです。
そのため、小型犬には興味があるものの、住環境の面で諦めざるを得ない人もいます。
しかし、トイプードルの場合、抜け毛が少なく体臭もほとんどありませんので、室内での飼育も可能です。 毛が絡みやすいのでブラッシング、あるいはトリミングを定期的に行うことが求められますが、他の室内犬と比べると飼いやすい点こそ、トイプードルの人気の高さの秘密です。
先にトイプードルは定期的にトリミングをしなければならないとお伝えしましたが、トリミングそのものが生まれたのはプードルの影響が大きいとされています。 冷たい水に入っても心臓、そして関節を保護すべく胸と足首の毛を残したことが次第にファッションへと進化し、「トリミング」へと進化しましたので、プードルがいなければトリミングという概念そのものが生まれていなかった可能性もあります。
トイプードルは社交的な犬としても知られています。 ペットによっては攻撃的な一面があるので、友人や知人を家に招いた際に攻撃的な姿勢、あるいは警戒心を出してしまうことも珍しくありません。
しかしトイプードルは温和且つ人懐っこい性格なので、初対面の相手に対して攻撃的な態度をとることはほとんどありません。 むしろ初対面の相手に対しても何ら警戒することなく近寄れる社交性を持っていますので、飼い主としても安心できる存在なのではないでしょうか。
トイプードルはとても賢いことで知られている子犬ですが、しつけも必要です。 どのようなしつけが大切なのか、手順と共に説明させていただきますので参考にしてみてください。
まずは何を教えるでもなく、スキンシップを行うことで自分自身が「飼い主」だと認識してもらうことが大切です。
トイプードルはとても賢い子犬なので、「飼い主」として認識することで主従関係ができあがります。 全身を柔らかく触ってあげることで、トイプードルも徐々に「この人が飼い主だ」と理解しますが、注意しなければならない点があります。それは頭やマズル、耳、そしてしっぽと足へのスキンシップは嫌がる傾向にあるということです。いきなり激しく触るのではなく、時間をかけて徐々に慣れてもらうようにしましょう。
いきなりそれらの部分に触ると、人懐っこいトイプードルでも拒否反応を示す傾向もあります。 信頼関係が出来上がってからであれば良いものの、いきなりそれらの部分を触られてしまうと、温厚なトイプードルと言えどもストレスを感じてしまうことにもなりかねません。
まずは先に挙げた部分以外をタッチし、信頼関係を構築していく課程で先に挙げた部分へのタッチを増やしていくと良いでしょう。
トイプードルのしつけの肝は「長期間」です。 短時間ですべてを詰め込むのではなく時間をかけて徐々にしつけをしていくスタンスが大切です。
人間同様、短期間であれこれ詰め込まれてもトイプードルとしてもかえって混乱してしまいます。 徐々にできることを増やしていくというスタンスで、温かい目でしつけをすることこそ、大切です。 トイプードルも、時間をかけられることで主従関係・信頼関係を深く理解できるようになります。
トイプードルのしつけの際、アイコンタクトがとても大切になります。 アイコンタクトも、トイプードルに見てもらうよりも先に、飼い主がトイプードルに視線を向けることで「見返してもらう」ことを心がけましょう。
見返してもらうことで、トイプードルは「見られている」と理解します。 目を見ることで、徐々にではありますが意思疎通を図れるようになります。
トイプードルも、何かをする際に飼い主を確認し、アイコンタクトが取れれば「OK」だと判断するようになりますので、トイプードルに見られるよりも先に自らがトイプードルを見て、視線に気付いてもらい、主従関係の構築を進めましょう。
トイプードルのしつけの中でも大切なのがマズルのコントロールです。 マズルとは口と鼻にかけての部分です。マズルは犬にとって武器となる部分なだけに、抑えられると敵意を向けてくるケースもあります。
そのため、主従関係を構築しながら徐々にマズルに触れてマズルコントロールをするようにしましょう。 信頼関係ができていない段階で強引にマズルコントロールを行おうとすると、愛くるしいトイプードルであっても拒否反応を示したり、あるいはストレスとなってしまいます。
しつけの際、トイプードルが理解しやすいよう、言葉を決めておくことをおすすめします。 特に重要なのが、家族での統一です。
例えば座らせる際、「座れ」「お座り」「シットダウン」など、家族によって異なる言葉を使ってしまうと、聡明なトイプードルであってもなかなか意味を理解できません。 しかし、家族全員で同じ言葉を使うことで、トイプードルも次第に言葉の意味を理解できるようになります。
もちろんこれは座ってもらう時だけではありません。 待てなど、しつけの際の言葉は家族全員が同じ言葉を使うよう気を付けましょう。
指示を遂行するなど、良いなと思ったことに対しては飼い主はオーバーアクションくらいで良いので大げさに褒めるようにしましょう。
人間同士のように、言葉で理解を深めることはできませんので、多少オーバーアクションでも飼い主が喜んでいる姿を見せた方が、トイプードルとしても「良いことをしたのだ」と理解できます。 オーバーアクションで褒めることこそ、トイプードルには十分な「ご褒美」となります。
しつけの際、どうしても叱らなければならないこともあるでしょう。 その際、どのように叱るのかもとても大切です。 言葉で長々と叱るのではなく、「ノー!」「ダメ!」など、短い言葉で、そして低めの声で叱ると良いでしょう。
短く、さらにはいつもより低い声で叱ることでトイプードルも「いけないこと」だと認識します。 長ったらしい言葉であれこれ言った所で、トイプードル側は何を言われているのかよく分かりません。 短く低く。これがトイプードルをしつける上でとても大切なポイントです。
トイプードルをしつける際、「基本」となる3つの命令があります。 これらを覚えなければ、その先のしつけもままなりませんので、これらの基本的なしつけをまずは覚えましょう。
犬に対してのしつけの基本でもある「お座り」はトイプードルのしつけに於いても重要です。 但し、いきなり「座れ」と指示したところで座ることはありません。 徐々にしつけていかなければならないのですが、初めは言葉だけではなく、餌を上手く使うことで、トイプードルが座るような動作をするよう務めると良いでしょう。
餌をトイプードルの視界に入れ、餌を下げればトイプードルも自ずと座るような態勢になります。 その際、徐々に言葉で「座れ」を意味する言葉を使うことで、トイプードルも「この言葉の時には座る」と覚えます。
ここで大切なのは「できた時に褒める」です。 先にも説明したように、褒めることでトイプードルは「これで良い」と確信します。 オーバーアクションになるくらいで良いので、できた時には褒める。これを繰り返していくことで、トイプードルも「何をすれば飼い主が喜んでくれるのか」を理解します。
「座れ」の次は「待て」です。 待てを覚えさせることで、その次の動作もしつけやすくなりますので、座れ同様、待てもとても大切なしつけです。
「待て」をしつける際に大切なことは、待てができたら褒めたりお菓子をあげるなどして、「待つと褒美が待っていると」と覚えさせることです。 そのためには、待てができたときには褒める。できなければ注意する。この繰り返しで、トイプードルに「待て」を覚えさせることが大切です。
トイプードルは聡明です。 待てば褒美がもらえると理解すれば、待てもスムーズにできるようになりますので、待てができた時にはしっかりと褒めてあげましょう。
伏せは犬がリラックスした状態です。 こちらもしつけの基本なので是非とも覚えさせたい所。伏せを覚えると、トイプードルが興奮した時に伏せさせたり、あるいは伏せさせることで相手と距離を取るなど、様々な応用が可能です。
「伏せ」のしつけとしては、やはり餌がカギです。 餌をトイプードルの視界に入れて徐々に下げることで、自然とトイプードルの視線、そして体も「伏せ」の状態になります。
そして伏せることができたら、しっかりと褒めてあげましょう。 褒めることで「これは悪いことではない」と理解できるようになります。
しつけの基本を習得したら、次は実践的なしつけへと移行します。 これらをしつけることで、トイプードルとの生活がより一層楽しいものになることでしょう。
トイプードルへのしつけの中で、基本と同じくらい大切で是非とも覚えなければならないことがトイレです。 トイレは人間同様、犬も生理現象なので覚えさせなければなりませんが、初めから成功させることは難しいでしょう。
しかし、トイレに失敗したからといって怒ってはなりません。 特に子犬の時には怒ったり注意したりが「自分に注目されている」と錯覚させてしまい、「これでいい」になってしまいます。 つまり、失敗を「これで良いものだ」と認識してしまう可能性があります。これではいつまで経っても正しいトイレを覚えませんので、子犬の段階では失敗したとしてもすぐに掃除しましょう。
トイレで大切なことは、トイレの環境を整えてあげることです。 例えばトイレの場所は、できる限り目立たない場所が好ましいです。トイレの際は、トイプードルも人間同様、他人からあまり見られたくないと感じています。 つまり人がたくさんいるど真ん中に置くと、トイプードルとしてもリラックスなどできません。 人目につかない隅っこや物陰など、人間同様「他人に見られない場所」が良いでしょう。
トイプードルは「トイレ」として覚えるのではなく場所、臭い、そしてシーツの感覚。これらによって「ここでのトイレが良い」と感じるようになります。そのため、当初はあまりにも難解な場所だとトイプードルが場所を探せない可能性もあります。
ご飯の後や寝起きなど、比較的トイレに行くことが多いタイミングの際、上手くトイレまで誘導してあげると良いでしょう。 そしてトイレが上手くできたらしっかりと褒めてあげましょう。褒めることでトイプードルも「ここでトイレすると褒めてくれる」と覚えます。
トイレもまた、しつけには時間がかかりますが、トイレを覚えさせないといつまで経ってもトイレができず、部屋の至る所でトイレをしてしまうので根気良く取り組みましょう。
トイプードルも、いわゆる「無駄吠え」があります。 しかし、「無駄吠え」という名称ではありますが、決して無駄に吠えているのではなく、何かをアピールしていますので、怒るのではなく何をアピールしているのかを考えてあげましょう。
但し、何かを要求している場合は無視した方が良いでしょう。可愛いトイプードルが鳴いているのに何もしないのは可哀想だと思うかもしれませんが、吠えるということはいわば何かをアピールしていることなので、その都度応えていたら、甘やかしているだけにしかなりません。
また、トイプードルは頭が良いので、泣く度に構っていたら、次第に「鳴けば構ってくれる」と理解してしまい、それまでのしつけが台無しになってしまう可能性もあります。 鳴いている時には待てや伏せにてコントロールするのがベストですが、無視することも有効です。
トイプードルが子供の時には、いわゆる「甘噛み」も多くみられます。 ストレス解消や好奇心にて行っているもので、噛み心地の良いものに対しては長時間噛みついてしまいますが、大人になると自然と収まるケースも多いです。万全を期すのであればゲージ等で囲い、その中には噛めるような物を置かないようにするとよいでしょう。デンタルガムのように、噛むことで歯石防止になるようなアイテムも有効です。
また、噛んではならないものを噛んだ時にはしつけ同様、「ダメだ」ということを教えてあげると良いでしょう。 それにより、次第に「噛んではならないもの」を覚えるようになります。
それでもなかなか上手くコントロールできないようであれば、マズルコントロールにて主従関係を明確にさせてあげることで、トイプードル側も「いけないことをしている」と認識するようになります。
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